K熱電対用補償導線はクロメル - アルメル熱電対と組み合わせて使用され、次の3種類の補償導線があります。
補償接点温度(熱電対と補償導線の接続点の温度)と精度を考慮し、これら3種類の補償導線の材質を選択、決定してください。
表-22 K熱電対用補償導線の温度許容差(JIS規格温度許容差)
記号 | 補償接点温度(℃) | 許容差(℃) | 記号(※参考) | 補償接点温度(℃) | 許容差(℃) |
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JIS C 1610-1981 | JIS C 1610-2012 | ||||
KX-G | −20〜+90 | ±2.5 | KX-1-G | 0〜+100 | ±1.5 |
KX-GS | ±1.5 | KX-1-H | 0〜+150 | ||
KX-1-S | -25〜+200 | ||||
KX-H | 0〜+150 | ±2.5 | KX-2-G | 0〜+100 | ±2.5 |
KX-HS | ±1.5 | KX-2-H | 0〜+150 | ||
KX-2-S | -25〜+200 | ||||
WX-G | −20〜+90 | ±3.0 | KCA-2-G | 0〜+100 | |
WX-H | 0〜+150 | KCA-2-H | 0〜+150 | ||
VX-G | −20〜+90 | ±2.5 | KCB-2-G | 0〜+100 |
(※参考)
表中JIS C
1610-2012のG、H、Sは絶縁体の材料の使用区分を示します。従って使用温度範囲を補償接点温度として示します。
表-23 K熱電対用補償導線の温度許容差 (IEC 60584-3)
記号 | 温度範囲(℃) | 許容差(℃) | |
---|---|---|---|
クラス1 | クラス2 | ||
KX | -25 〜 +200 | ±1.5 | ±2.5 |
KX補償導線は(+)側導体にニッケル・クロム合金線、(−)側導体にニッケル合金線を使用する導体材質が熱電対と同材質のエクステンション型(延長型)補償導線である為、グラフ-4に示す様に、特性曲線が広い温度範囲で直線的で、精度が高いので、高精度を要求される場合は、この型の補償導線を使用する必要があります。
KCA補償導線は、(+)側導体に鉄線,(−)側導体に銅ニッケル合金線を使用するコンペンセーション型(補償型)補償導線です。
KCA補償導線は、グラフ-5に示す様に特性曲線が緩やかに彎曲するので、KX補償導線の様に広い温度範囲で高精度を保つ事はできませんが、補償接点温度を150℃以下で安定して保つ事ができれば、KX補償導線に比べ価格も安く、幅広い分野で使用できます。
KCB補償導線は、(+)側導体に銅線、(−)側導体にコンスタンタン線を使用するコンペンセーション型(補償型)補償導線です。
KCB補償導線はグラフ-6に示す様に特性曲線が大きく彎曲し、特に100℃以上の高温領域で誤差温度が大きくなるので、補償接点温度が100℃以上になる場合は、温度許容差±2.5℃を満足できない為、使用できません。
K熱電対用補償導線 種類別温度誤差特性 | |
温 度 換 算 誤 差 (℃) |
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測定温度(℃) グラフ-3 |
KX 温度換算誤差グラフ | |
温 度 換 算 誤 差 (℃) |
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測定温度(℃) グラフ-4 |
KCA(WX) 温度換算誤差グラフ | |
温 度 換 算 誤 差 (℃) |
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測定温度(℃) グラフ-5 |
KCB(VX) 温度換算誤差グラフ | |
温 度 換 算 誤 差 (℃) |
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測定温度(℃) グラフ-6 |